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情報コーナー

●長野式研究会・尚古堂便り
Vol.2 興味鍼々…(1)  予防接種は小腸経を避けましょう!!

拙い治療ながらも、時には、自分自身がビックリするような効果をあげた症例があります。
あるいは、どうしても改善できない愁訴に格闘することもあります。
日々の臨床で出会った様々な症例の中で、良きにつけ悪しきにつけ、印象深いものを書いていきたいと思います。
鍼灸って面白い!そんな気持ちで、‘興味津々’治療に向かっていく気持ちを、‘興味鍼々’と書いていきたいと思います。

以前、岐子先生から、「予防接種は、小腸経を避けなさい」と言われました。
その意味が「ナルホド、ナットク!」と、分かった症例がありましたのでご報告します。
(細かい所見や治療、経過などは、今回の愁訴に関係あるもの以外は省略しました)

43歳、女性、会社役員
この方は、治療を初めてから10年以上来院されている患者さんで、C型肝炎がインターフェロンで治った既往歴があります。
ですから、今まで、ほとんどの症状は右側に発症していました。
体調が悪くなると来院し、良くなってくると、しばらく治療から遠ざかるような感じで通われています。
交通事故でぶつけた車が、どんなに完璧に修理し元通りにしても、何となくどこか調子がイマイチ…という感じるときがあると言われることがありますが、この方もその様な感じで、C型肝炎が治ったといっても、どこか肝臓が完全でないところがあるのでしょうか、久しぶりに来院すると、必ず、「肝実」「肝虚」が診られます(以前ほど顕著ではありませんが)。ですから、それらを消失させ、オ血やら副腎やらの通常の処置と、その時の主訴に、あるいは、新たな所見に対する処置を加えると、ほとんど改善していました。

【主訴】 左腰の痛み、左股関節付近の痛みと引き攣れ感、左鎖骨下に1ヵ所強い圧痛があり肩甲骨まで響く。
【所見】

「左乳根」付近、左側の鎖骨の上下と腋下部、「ダン中」の左脇、「左天宗」〜T5にかけてのエリアに圧痛が著明。心臓の反応が非常に強く出ている。(他は省略)

【治療】

心臓の所見には、まずオ血処置です。
続いて、表れた所見に対しての治療を行った後、心臓に対しての治療を行いました。
(心臓に対する治療の前の、他の所見に対する治療で、心臓に関する所見の多くのは改善していきます)
背部は、膀胱経の「左火穴」=「左崑崙」の圧痛が陽性なのでその「気・水穴」と、「命門」の右華陀穴の圧痛部位で、背部の心臓に関する所見は消失。主訴の多くが改善する。
(これは、背部の心臓所見と、それを改善させる典型的なパターンです)

16日後、再度来院。
前回治療後、数日は軽かったが、また、同様の症状があると言う。
 左鎖骨下に1ヵ所あった強い圧痛は、少し身体を動かすと、ウッという痛みが発症するようになり、左頚部が張った感じがする。
所見もほぼ前回と同様であるので、治療もほぼ同様に行う。
治療後、ベッドに横になっているときには所見や症状が軽減した感じがあったが、起き上がって呼吸をすると、左胸が非常に苦しいと言う。
念のため、「親族に、心臓病の人はいないよネ?」と尋ねると、「いません。先生、前回も聞きましたよ」と答える。
どうみても、心臓病の所見であり、その後、色々と心臓の治療を加えたり、他の所見を探したりして治療するが、呼吸に変化無し。
前回の治療の時に、「2週間前に、インフルエンザの予防接種をしてから、何となく体調がおかしい」というのを思い出した(カルテにも書き込んでありました)。
「どの辺に注射をしたの?」と尋ねると、「お医者さんが、痛くないからと言って、少し、腕の皮膚を前の方に引っ張って打ちました」と言いながら示した部位がが‘小腸経’!!!
岐子先生から、「予防接種は、小腸経は避けなさい」と言われたことを思い出しました。
すぐに「左肩グウ」を10秒ほど押圧し、呼吸をするようにいうと、「全く何ともない」との返事。「左肩グウ」に21壮の多壮灸をして終了。

【考察と補足】

小腸経と心臓(心経)は、表裏であり、大変関係があります。
長野先生は、小腸経で心臓の治療を行い、心経で小腸経の治療をよく行います。
例えば、「心実」の治療は「関元」(小腸経の「募穴」)で行い、小腸経に沿った痛みは「少海」(心経の経穴)で改善させます。
また、心臓所見には、同時に「肝虚」が診られることが多く、肝臓が悪かった人が、後に心臓が悪くなることがよくあります。
(『医道の日本』誌2007年3月号:P59「長野式における「肝」への鍼灸」をご参照下さい)
この方は、C型肝炎の既往があり、「肝虚」がありました。
本人は、親族に心臓病がいないと言っていましたが、この方のお母さんに聞いたら(お母さんも患者さんで、月に1度、健康のために来院されています)、祖母が心臓病で、本人の姉も健康診断で心臓に所見が出たことがあるとのことでした。
(案外、家族歴を知らないことが多いものです。皆さんも、親族の病歴を調べておくことをお薦めします)
心臓病は、体質的遺伝傾向が非常に強いです。
恐らく、この方も心臓病が潜在していたのかも知れません。
C型肝炎による「肝虚」→心臓への影響、遺伝的体質の内在。そこに、小腸経への注射が、弱ってきていた心臓にアタックしたのかと推測されます。
健康な人では、予防接種の影響が少ないでしょうが、身体が弱っている、あるいは、弱点を持っている人には、予防接種の影響が引き金になることがあるのではと思います。
この方には、もう一つ興味ある症状で来院しています。
それはまた後程、ご報告したいと思っています。

「肩グウ」の理由は、注射をした位置が不適切だっただけでなく、‘ワクチン’という毒が体内に入ったということが引き金になったと考えました。
「肩グウ」「築賓」の解毒処置です。(「以心伝鍼」の『「肩グウ」「築賓」の時代』を参照下さい)
「築賓」は、ソケイ部を緩めるのに既に使用していましたので、「肩グウ」だけにしました。
効果がイマイチとなれば、再度、「築賓」を加えたと思います。
もし、これで改善しなければ、小腸経ということと心臓ということで、「少海」を加えたと思います。(前述のように、小腸経に関係のある症状は、よく「少海」で改善します)

岐子先生の著書『Kiiko Matsumoto‘s Clinical Strategies』のP130〜に、心臓病について非常に分かり易く述べられています。
また、この著書には、P165に「大腸経・三焦経上にある多くの予防接種は、頚や肩のひどい痛み、あるいは、頭痛や顎の痛みの原因となる」と書かれていますが、「小腸経の予防接種は避けなさい」と言われるのでは、どこにしたらいいのでしょう?
経絡の間にするのでしょうか、あるいは、なるべくしない方がよいということなのでしょうか。
(以前、アメリカでは天然痘の予防接種痕が見えるところにあるのを避けるために、胆経上にしたそうです。そのために、坐骨神経痛と仙腸関節のインバランスが発症したそうです)
予防接種をした位置だけでなく、予防接種痕に圧痛がある、窪みや引き攣れがあるというのも問題になります。
『Kiiko Matsumoto‘s Clinical Strategies』に、全て書いてあります。
この本を、私が異常に熱心に勧めることがお分かりになるでしょう!



《心臓疾患とオ血処置》
長野式治療法を始めた頃、ひどい不整脈の患者さんが来たことがあります。
脉診をしながら、イヤーな感じがしていましたら、血圧を計っていた家内から、そっと紙を手渡されました。「ひどい不整脈だから気をつけて」と書かれていました。
下腹部に子宮筋腫の引き攣れの大きい傷痕がありました。
長野先生は、ひどい心臓疾患の患者さんのオ血は、遠い所から処置しなさいと言われましたので、右側の「中封」「尺沢」から始めました。
すると、あれだけひどかった不整脈が改善してきました。
それ以後、心臓の所見のある患者さんには、オ血がある場合には、オ血処置を丁寧に行っています。
すると、効果のあるときには、不整脈や上記の心臓所見が全てきれいに消失することがあります。
あるいは、心臓所見の多くが消失、または、改善することがよくあります。
左下腹部(「左大巨」付近=腹部オ血)にオ血が溜まることにより、大動脈からの血流が阻害されるようになり、その源の心臓に負担をかけるようになるのではと、私は思っています。ですから、このタイプの心臓所見には、オ血処置が効果があるのかと思います。
このタイプに入らないときには、オ血処置でも心臓所見は取れないか、少しだけしか改善しません。
この方は、下腹部に子宮筋腫の傷痕がありましたように、腹部オ血が溜まる条件があり、オ血処置の効果があったのでしょう。
長野先生は、「「洪脉」は、オ血処置で改善することがある」と言われましたが、「洪脉」=「心実」ですので、このことを言われたのかも知れません。
(私の拙い脉診では、「洪脉」がそれほど表れていたとは感じられなかったのですが…)

《予防接種について》
何年か前、当院の患者さんが、インフルエンザの予防接種後、風邪を引いたと訴える方が多かった事があります。
この年の予防接種が少し強かったのでしょうか、あるいは、内容が少し異なっていたのかも知れません。
予防接種後の異常は、常に問題になり、重篤な副作用により、死亡事故まででます。
自閉症の一部は、予防接種に使用されている防腐剤が原因との研究結果があり、テレビでもドキュメンタリーで放映されていました。
いずれにしても、何であれ、身体に入った物は異物であり、個々人の感受性の違いにより、予防接種でも負担をかけることがあるのかと思います。
ですから、予防接種後に何らかの異常が発症したら、原因は、予防接種かもしれません。
輸血や全身麻酔でも、後に、身体に異常を発症させることが多々あります。
松本先生のセミナーでも、このことについては、問診の一部で、非常に重要視されることがあります。
現代の難病と言われる疾患には、自己免疫疾患が多いですが、予防接種がその一因ではないかと指摘する免疫学者もいます。
本来ならば、自然淘汰により、自然における弱者は死ななければならないのに、予防接種により、生かされてしまうことになります。
本来の自分の力ではない物によって生き延びてしまうために、少しずつ正常な免疫力が低下してきているのかも知れません。
中世ヨーロッパでペストが大流行したときにも、予防接種をしたわけではないのに、自然に鎮静化しました。
‘実技講座’では、なかなかオ血が改善しない方がいました。
3回‘実技講座’に参加されましたが、全く変化がありません。通常は、最初に、オ血が改善するのを自ら体験して頂き、「長野式治療法」・「キー子スタイル」の面白さに迫ってもらおうと思っているのですが、全く反応しません。
後で、飲む機会があり、あれこれ話しているうちに、この方は海外青年協力隊にいたことがあり、この訓練期間に、相当な予防接種を受けたそうです。
海外青年協力隊は、発展途上国に派遣されますから、その受け入れ国によっては、多くの予防接種を受けなければならなかったそうです。
この方も、恐らく、多量の予防接種によりオ血が大量に溜まったのではと推測されます。
こんなときには、オ血処置と平行して、「肩グウ」「築賓」の解毒処置が頑固なオ血を改善していくのかと思います。

村上 裕彦 2007年08月




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