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情報コーナー

●長野式研究会・尚古堂便り
Vol.33 初めての陣痛付け(1)

不妊治療、ツワリ・逆子などの妊娠中の母体のケア、出産後のケアなどは経験がありますが、初めての‘陣痛付け’の経験をしました。

この患者さんは、最初、冷え性・腰痛・肩こりなどの症状で来院しました。
しかし、問診段階で、生理前緊張症・生理痛・生理不順など、生理に関して非常に重い愁訴があることが分かりました。
また、7年程前からウツ的症状が始まり、カウンセリングなども受け、1年半程前から服用していた薬を、先月からようやく中止できるようになってきたとのことですが、まだ、精神的に健康という状態ではないとのことでした。

精神的な症状は、初回の治療後から改善がみられ、約1ヶ月後、2回目の治療時には、今回の生理は、来るのが分からないほど楽だったと言われた。
(生理前緊張症、生理痛、生理不順など、生理に関する症状は、本当に鍼灸治療が効きます。
生涯にわたる生理の度に服用する薬の総量と、薬のリスク・副作用、それに、薬剤に支払う金額に比べれば、リスクがなく、トータルの金額の圧倒的に廉価な鍼灸治療。
どうして、広がらないのか不思議です)
再婚で、今の夫との間にまだ子供が授からず、どうにか、妊娠したいとの希望を話されました。
(前夫との間に、7歳になる子供がいるので、一子不妊症である)
生理障害のある不妊症の女性の場合、生理を整えると妊娠することがよくあります。
2回の鍼治療の後、体調が良くなってきているので、妊娠する可能性も高いのでは…と思われました。もちろん、不妊の治療も加えました。
初診より約3ヶ月後、7回目の治療予約の前日、どうも妊娠したらしい…との予約キャンセルの電話がありました。
もちろん、妊娠です!!!


この子も、こんな大木に育つといいナ
その後、妊娠中は、通常の妊婦さんの治療に、ツワリの治療や、お腹が大きくなっての下垂治療、ムクミの治療など、その時々に発症する症状を改善する治療を加えました。
風邪のときには、薬が服用できないので、こんな時には、まさに鍼灸治療の出番です。
出産2ヶ月前頃には、本人が「妊娠始まって以来調子が良いです」と言われ、途中の鍼灸治療も、経過も良好とのことで、何度か治療を先に延ばす程でした。

出産予定日の2週間前、1週間前と、続けて最後の治療をしましたが、体調も良く、医師からも、赤ちゃんも元気で順調と言われたとのことでした。
ただ、最後の治療の時に(今までの治療もそうだったのですが…)臀部がイマイチ温たまらないのが気にはなっていました。
‘甘い物’と‘冷え’については、口を酸っぱくして注意していましたので、本人もそれは、良く守っていました。

予定日の日曜日に、出産の連絡がありませんでした。
月曜日・火曜日も全く連絡がありません。
水曜日の夜に、「全く陣痛が無く、出産が遅れています。治療してくれませんか」との電話がありました。

冒頭に書きましたが、不妊治療、ツワリ・逆子などの妊娠中の母体のケア、出産後のケアなどは経験がありますが、‘陣痛付け’は行ったことがありません。
(今までの妊婦さんは、皆さん、無事に予定通り出産されたのですから…)
急きょ、‘K子母さん’に電話です。
‘K子母さん’が「妊婦さんに、パンを食べているか聞いてちょうだい」とのことで、妊婦さんに、すぐに電話をしました。
妊婦さん曰く、「ホームベーカリーがあり、時間もあるので、毎日、パンを自宅で焼いては食べています。パンは、大好きです」。
妊婦さんですから、毎日、歩いたり、適当な運動や日常生活を送っている他は、パンを焼いては食べていたそうです。
また、すぐに‘K子母さん’に電話です。
「小麦粉がいけないの。身体を冷やします。すぐにパン食を止めて、朝は、ご飯に味噌汁、温野菜。夜は、鍋物(ちょうど、寒い季節です)。自分の体温より低いものは駄目!寿司や生野菜も避けて。もちろん、パスタ類もだめ!」
エーッ?! パン?‘甘い物’と‘冷え’は分かっているけど、‘パン’とはネー!!
‘K子母さん’の小気味よいアドバイスを受け、早速、妊婦さんに連絡です。
パスタやピザも大好きで、よく食べていたそうです。

木曜日は、芹香病院のカンファランスがあり、当院は休院。
ちょうど、金曜日と土曜日にキャンセルの患者さんがいたので、そこに急きょ入っていただき、いよいよ‘陣痛付け’です。
治療室は、室温をガンガンに上げて、私は汗だくでの治療です。
基本的には、いつもの妊婦さんの治療にプラスαです。
ようやく、妊婦さんの臀部も温まり、微量陣痛。
妊婦さんが、「先生、少し痛いです」と言ったときに、「エッ、どこが?」とアホな答えをしてしまいました。
陣痛に決まっています。
今まで、痛みを無くすことを目的としていましたので、痛みを出すために治療をするのは、初めてであり、痛みが出て、何か間違った治療をしたのかと勘違いをしてしまいました。
治療後、少し、出血がありました。

タイムリミットは、月曜日の午前8時半。
それまでに産まれないときには、帝王切開です。
これだけは、どうしても避けたい。
今まで、不妊治療から、妊娠中のケアをしてきたのが無駄になってしまいます。

土曜日も、同様の治療です。
少し強い陣痛が起き、最初、15分間隔ほどだったのが、7〜10分ほどになって、陣痛も強くなってきました。
ただ、陣痛が継続しません。
もし、まだ、産まれないときには、日曜日の午前中も時間を空けておくので、連絡をして下さいと伝えて治療を終了しました。


雄大な山々のような人生でありますように
翌、日曜日、電話がありました。
昨晩、治療後、数時間して非常に強い陣痛があったので、病院に行くも、病院に着いたら陣痛が治まってしまい、帰宅。また、数時間して強い陣痛があったので、病院に行くも、また、病院に着いたら陣痛が治まってしまい、帰宅したとのこと。
鍼灸治療と病院へ2回行ったことで、疲れ果ててしまい、今日の鍼灸治療はキャンセルさせて欲しいとのことでした。

出先から帰ると、妊婦さんのお母さんから留守電が入っていました。
無事、午後7時過ぎに出産し、母子共に異常なしとのこと。

翌日、本人から電話で、3588gの男児(前から分かっていましたが)で、通常の半分の量の陣痛促進剤を使用したとのことでした。
「…ウーン、陣痛促進剤を使ったか…」
最悪の帝王切開は免れましたが、半分でも、陣痛促進剤を使用したことは残念でした。
パン食の冷えた身体と、3588gの体重からの陣痛付け。
初めてにしては、上出来か…?
でも、パン食は…、意外だった…、などと反省しきりの‘陣痛付け’でした。


村上 裕彦 2011年02月




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